12月15日に起こった、人文学(歴史・文学・芸術・文化・思想など)に関わる主な出来事を10件挙げます。
37年
ローマ皇帝ネロの誕生
後に第5代ローマ皇帝となるネロが、イタリアのアンティウムで生まれる。ユリウス=クラウディウス朝最後の皇帝であり、大火とキリスト教徒迫害、そして自ら「芸術家」を名乗った統治者として、古代ローマ文化・初期キリスト教史の両方に大きな影響を残した。
1654年
トスカナで系統的な気象観測が開始
トスカナ大公国のフィレンツェに設けられた気象観測所が、この日から日々の気温の継続記録を開始。17世紀半ばからの長期データは、科学史・環境史・気候変動研究にとって重要な一次史料となっている。
1791年
米国「権利章典」(憲法修正1〜10条)が発効
バージニア州が批准し、合衆国憲法の前10の修正条項、いわゆる「Bill of Rights」がこの日に発効。言論・信教・集会の自由や適正手続きなどを保障し、後世の自由主義思想や各国の人権規定に大きな影響を与えた。
1815年
ジェイン・オースティン『エマ』刊行
イギリスの作家ジェイン・オースティンの長編小説『エマ』がロンドンで出版される。裕福で自信家の若い女性が「良かれと思って」周囲の恋愛を操作し、やがて自己認識に至る物語で、「小説の語り手」とアイロニーの使い方において近代小説史で重要な位置を占める。
1840年
ナポレオンの遺骸がパリへ改葬
セントヘレナ島に埋葬されていたナポレオン1世の遺骸がフランスに帰還し、この日アンヴァリッド(廃兵院)のドーム教会に安置される。帝政の記憶を「国家的カルト」として再構成する一大儀礼であり、フランスの記憶・ナショナリズム研究でも象徴的な出来事。
1890年
ラコタの指導者シッティング・ブルの殺害
ラコタの精神的指導者シッティング・ブルが、スタンディングロック居留地でインディアン警察により逮捕される際の銃撃で死亡。この出来事はその後の「ウーンデッド・ニーの虐殺」ともつながり、アメリカ先住民の抵抗と抑圧の歴史を象徴する事件として記憶されている。
1928年
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー誕生
オーストリアの画家・建築家フンデルトヴァッサー(本名フリードリヒ・シュトヴァッサー)がウィーンで生まれる。直線と画一性を嫌い、有機的な曲線と鮮烈な色彩、自然との共生を重視した建築・都市論は、20世紀後半の環境芸術・建築思想に大きな影響を与えた。
1939年
映画『風と共に去りぬ』世界初公開
マーガレット・ミッチェルの同名小説を原作とするハリウッド映画『Gone with the Wind』が、アメリカ南部アトランタのフォックス劇場でプレミア上映される。映画史上屈指の大作として人気を博す一方、南北戦争と奴隷制の描き方をめぐり、記憶と表象の政治の典型例として今日まで議論の対象となっている。
1966年
ウォルト・ディズニー死去
ミッキーマウスやディズニーランドを生み出し、長編カラーアニメーション映画を産業として確立した映画プロデューサー、ウォルト・ディズニーがカリフォルニア州バーバンクで死去。アニメーション技術・家族向けエンターテインメント・グローバルなポピュラーカルチャーのあり方に決定的な影響を残した。

2001年
ピサの斜塔、長期修復を経て再公開
傾斜の進行により1990年から閉鎖されていたイタリア・ピサの斜塔が、11年にわたる地盤改良と構造補強を経て、この日に一般公開を再開。世界遺産に指定された中世建築を「倒さず・真っ直ぐにもせず」保存するという方針は、文化遺産保存の代表的なケーススタディとなっている。
※ 1654年の出来事は自然科学寄りですが、「長期にわたる観測記録」という形で人間の世界理解・歴史叙述(気候史・環境史)に深く関わるため、人文学史的な観点から含めました。













































