かつて12月12日に起こった出来事

12月12日に起こった/この日に結びつく、人文学(思想・宗教・文学・メディア・人権など)に関わる出来事を10件まとめました。

1204年

ユダヤ人哲学者・律法学者 マイモニデス(モーセ・ベン・マイモン)死去(フスタート)

『ミシュネー・トーラー』『当惑する者への導き』で知られる中世ユダヤ思想の巨人。アリストテレス哲学と啓示の調和を試み、その思想はスコラ学・イスラーム神学にも大きな影響を与えた。

1524年

ローマ・ユダヤ教徒共同体の組織を教皇クレメンス7世が承認

ローマのユダヤ人共同体の自治的組織が公認される。後のゲットー化や差別の歴史を含め、ヨーロッパにおけるユダヤ共同体の法的地位・宗教的寛容を考えるうえで重要な節目。

1821年

フランスの小説家 ギュスターヴ・フローベール誕生(ルーアン)

『ボヴァリー夫人』をはじめとする作品で写実主義文学を切り開き、文体の厳密さ・作家の「無私性」など、以後の小説理論に決定的な影響を与えた。

1901年

マルコーニが大西洋横断の初の無線電信信号を受信(ニューファンドランド島)

コーンウォールから送られたモールス信号「S」が約3400kmを越えて届く。世界同時通信の時代の幕開けであり、メディア史・コミュニケーション論・グローバル化研究の象徴的な出来事。

1917年

カトリック司祭エドワード・フラナガンが 「ボーイズ・タウン」創設(米ネブラスカ州)

問題行動のある少年たちのための自主管理的コミュニティ。「見捨てられた子ども」へのまなざしや、福祉・教育・キリスト教的人間観を考えるうえで象徴的な実践例となった。

1935年

ナチス親衛隊の「レーベンスボルン計画」開始

「アーリア人種」の増殖を目的とした出産施設・養子制度を制度化。身体・血統を管理するバイオポリティクスの極端な例として、現代倫理学・ホロコースト研究・家族社会学の重要なテーマとなっている。

1870年

アメリカ合衆国下院で ジョゼフ・H・レイニーが最初の黒人議員として宣誓

奴隷出身のレイニーが下院議員に就任。アメリカ政治におけるアフリカ系市民の代表権の始まりを象徴し、人種・市民権・民主主義の歴史研究で頻繁に取り上げられる。

1963年

ケニア独立宣言(イギリスからの独立)

ジョモ・ケニヤッタを首班としてケニアが主権国家として独立。脱植民地化・アフリカ民族主義・ポストコロニアル文学(ングギ・ワ・ティオンゴなど)を理解するうえで鍵となる日。

2000年

米連邦最高裁判所 Bush v. Gore 判決

フロリダ州の再集計打ち切りを命じ、事実上ジョージ・W・ブッシュを当選とする判断を下す。選挙制度・司法の役割・民主主義の正統性をめぐる政治哲学・法哲学の典型的ケースとして論じられている。

2015年

パリ協定(Paris Agreement)採択(COP21)

地球温暖化対策のための新たな国際枠組みとして、約200カ国が温室効果ガス削減の長期目標に合意。環境倫理・世代間正義・地球市民社会など、21世紀人文学の中心テーマを象徴する出来事。

ざっくり言うと12月12日は、

マイモニデスやフローベールなどの古典的人文学の巨人に結びつきつつ、 マルコーニ、レーベンスボルン、ボーイズ・タウンのような近現代の社会・メディア・倫理のターニングポイントが重なり、 レイニー就任・ケニア独立・Bush v. Gore・パリ協定のような**「民主主義と人権・地球環境」をめぐる節目**も集中している日、と言えそうです。