わたしは落語が好きだ。
20年近く前に、ある牧師にそのことを話したら、下世話と思われてしまった。あたっている。
同じ頃、芸の道につうじたある牧師に「談志より小三が好きだ」と言ったら、単純な人ですねという反応だった。あたっている。
実は、若いときに一番理解しにくい落語家が立川談志だった。耳が受け付けなかった。理解不可能だったのだろう。「ちゃんと落語らしい落語をしてほしい」というのがその時の思いだった。
談志さんほど落語に徹底して取り組んでいる噺家はいない、それほどの人なのに。
ちなみに理解しにくい二番目は三平さんだった。理由は書かない。
今は、もちろん、違う印象を持つようになった。談志さんも歳をとり円熟し、わたしも人生経験を積んだからだろうか。
しかし、違和感は少し残っている。うまい言葉が出てこないが、プライドの置き場所が、ということだと思う。
談志さん、お疲れさまでした。