「豊かさは与えることにある。持つことではない」
この意味深い格言をラテン語に翻訳し、文法的解釈を添えてご説明いたします。

ラテン語訳:
“Opulentia in dando est, non in habendo.”
文法的解釈:
- Opulentia:
- “opulentia” (豊かさ、富裕)の女性単数主格
- 文の主語
- in:
- 前置詞「~の中に」を意味する
- ここでは奪格と共に使用され、「~することにおいて」という意味を表す
- dando:
- “do” (与える)の動名詞、単数奪格
- 「与えること」を意味する
- est:
- “sum” (である)の直説法現在3人称単数
- 文の動詞(繋辞)
- non:
- 否定を表す副詞「~ではない」
- in:
- 前置詞(上記と同じ)
- habendo:
- “habeo” (持つ)の動名詞、単数奪格
- 「持つこと」を意味する
この文は直訳すると「豊かさは与えることにあり、持つことにはない」となります。
文法的な特徴:
- 動名詞 “dando” と “habendo” は奪格形で使用されています。これは前置詞 “in” と共に使われ、「~することにおいて」という意味を表現します。
- 動名詞を使用することで、「与える」「持つ」という動詞の概念を名詞化し、抽象的な行為として表現しています。
- “est” は文の前半で明示的に使用されていますが、後半では省略されています。これはラテン語でよく見られる省略法です。
- “non” を使用して後半部分を否定することで、「与えること」と「持つこと」を対比させています。
この翻訳は、ラテン語の簡潔さと優雅さを保ちながら、原文の哲学的な深みを巧みに表現しています。特に、”in dando” と “in habendo” という並列構造を用いることで、「与えること」と「持つこと」の対比を鮮明に示しています。また、否定語 “non” を文の後半に置くことで、「持つこと」ではないという点を強調し、原文のメッセージを効果的に伝えています。



























