かつて12月11日に起こった出来事

12月11日に起こった/この日に結びつけられている、人文学(哲学・思想・文学・法哲学・文化・人権・環境倫理など)に関わる出来事を10件まとめました。

1198年

イスラーム哲学者イブン・ルシュド(アヴェロエス)、マラケシュで死去

アリストテレス注解で知られるアンダルスの大哲学者イブン・ルシュドがこの日亡くなる。彼の「理性と啓示の調和」をめぐる議論は、イスラーム神学だけでなく中世ラテン思想にも決定的な影響を与え、トマス・アクィナスらとの「アヴェロエス主義」論争を生んだ。

1810年

アルフレッド・ド・ミュッセ、パリに生まれる

フランス・ロマン主義を代表する詩人・劇作家ミュッセの誕生日。『世紀児の告白』や一連の戯曲は、19世紀フランス文学における「退廃」「倦怠」「恋愛と自意識」のテーマを象徴し、のちの詩人や劇作家に強い影響を残した。

1918年

アレクサンドル・ソルジェニーツィン誕生

ロシアの作家・思想家ソルジェニーツィンがキスロヴォツクに生まれる。『イワン・デニソヴィチの一日』『収容所群島』などの作品を通してソ連の政治抑圧とラーゲリの実態を世界に告発し、「文学が体制を告発し得る」ことを示したノーベル文学賞作家。

1931年

ロナルド・ドウォーキン誕生

アメリカ生まれの法哲学者ロナルド・ドウォーキンが、この日にマサチューセッツ州などで生まれたと記録される(出身地表記には若干の揺れあり)。「権利としての法」「一貫性としての法」を唱え、憲法解釈や人権論に大きな影響を及ぼした。

1931年

リタ・モレノ誕生

プエルトリコ出身の俳優・歌手・ダンサー、リタ・モレノがフマカオに生まれる。映画『ウエスト・サイド物語』でアカデミー賞を受賞し、エミー・グラミー・オスカー・トニーの「EGOT」を達成した最初期の人物の一人として、ラテン系女性の表象史における転換点となった。

1936年

英王エドワード8世、王位放棄をラジオ演説で表明(英国王位放棄事件)

アメリカ人離婚女性ウォリス・シンプソンとの結婚を選び、戴冠前に自ら王位を捨てた初めての英国君主。BBCラジオでの退位演説は、近代君主制・メディア・「ロイヤル・ロマンス」をめぐる文化史の象徴的事件となり、数多くの文学作品や映画・伝記で扱われている。

1937年

ジム・ハリソン誕生

アメリカの作家ジム・ハリソンがミシガン州グレイリングに生まれる。詩・小説・エッセイで自然、食、暴力と喪失を描き、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』は映画化されて広く読まれるなど、アメリカ文学における「アウトドア文学」「ルーツ回帰」の代表的存在となった。

1946年

国連総会、UNICEF(国連児童基金)の設立を決議

第1回国連総会で、戦後の子どもと母親を救済するための「国際児童緊急基金」としてUNICEF設立決議が採択される。のちに恒久機関となり、教育・保健・権利保護を通じて「子どもの権利」概念の普及と国際人道主義の発展に大きく貢献した。

1997年

京都で「京都議定書」採択

地球温暖化対策に関する初の法的拘束力ある国際条約として、国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で京都議定書が採択される。環境倫理・世代間正義・国際法の分野で、気候危機に対する人類の責任をどう捉えるかという議論の基準点となった。

2003年以降(記念日制定は2003年)

国連総会、12月11日を「国際山岳デー(International Mountain Day)」に指定

山岳地域の自然・文化・生活を守るため、国連総会がこの日を「国際山岳デー」と定める。山岳宗教・少数民族文化・環境保全など、山をめぐる人文学・環境人文学のテーマを世界的に可視化する契機となっている。

今回も「政治・環境」寄りの出来事もありますが、いずれも人間観・価値観・表象のあり方に深く関わるものとして、人文学の射程に入るものを選んでいます。