かつて1月21日に起こった出来事

1) 1954年|USS Nautilus 進水(原子力推進で「潜水艦の定義」が変わった)

何が起きた?

1954年1月21日、米海軍の原子力潜水艦 USS Nautilus (SSN-571) がコネチカット州グロトンで進水しました。

なぜ重要?(科学・技術史の意味)

原子炉による推進は、従来の潜水艦が抱えていた「空気(酸素)と燃料の制約」を大幅に緩め、長期間・高速で“潜ったまま”行動できるという運用上の質的転換をもたらしました。 これにより、潜水艦工学は「短時間だけ潜る船」から、**常時潜航を前提にした設計(動力・冷却・居住・安全)**へ移行し、冷戦期の海洋戦略や海洋観測技術にも波及していきます。

2) 1960年|Little Joe 1B(ミス・サム)打ち上げ(有人宇宙飛行の“脱出安全”を実機で詰めた)

何が起きた?

1960年1月21日、NASAはマーキュリー計画の一環として Little Joe 1B をワロップス島から打ち上げ、女性アカゲザル Miss Sam を搭載して、打上げ脱出システム等の試験を行いました。

なぜ重要?(科学・技術史の意味)

有人宇宙飛行は「飛べる」だけでは成立せず、失敗モード(暴走・爆発・制御不能)に対して乗員を守って回収する仕組みが不可欠です。Little Joe 系は、まさにその安全工学を、段階的に“現物で”検証する枠組みでした。 生体搭載は、過酷な加速度・振動・回収まで含めた環境が生体に与える影響を確認し、のちの有人飛行へ進むための生理学的・運用的な敷居を下げました。

3) 1976年|コンコルド定期運航開始(超音速旅客輸送を「日常の運航」へ)

何が起きた?

1976年1月21日、英仏共同開発の超音速旅客機 Concorde が、英仏で定期商業運航を開始しました。

なぜ重要?(科学・技術史の意味)

超音速旅客機は、機体形状・耐熱・エンジン吸気・燃料効率・騒音・整備性など、要件が相互に衝突しやすい領域です。定期運航の開始は、それらを「研究機」ではなく商用システムとして回す段階に到達したことを意味します。 いっぽうで、ソニックブームや運航コストなどの制約も同時に可視化され、以後の航空工学は「速度だけでなく、環境・経済・規制を含む最適化」へ重心を移していく契機にもなりました。