かつて1月13日に起こった出来事

以下、1月13日に起こった(その日付で記録される)科学分野の重要な出来事を3件、詳しい解説つきでまとめます。

1) 1910年|リー・ド・フォレストが、メトロポリタン歌劇場から「オペラの無線音声放送」を実施

何が起きた? ニューヨークのメトロポリタン歌劇場での公演音声を、発明家リー・ド・フォレストが無線で送信したと記録されます。実験としての性格が強く、受信できた人は多くなかったものの、「モールス信号中心の無線」から「音声・音楽を“放送”する無線」へ踏み出した象徴的出来事です。  なぜ重要?(科学・技術史の意味) ここで重要なのは、通信が「特定の相手に送る」から「不特定多数に届ける」へと“用途”を変えた点です。これが後のラジオ放送網・音声メディアの成立を促し、電気工学(増幅・送受信)と社会インフラが結びついていきます。 

2) 1994年|ハッブル宇宙望遠鏡の「球面収差問題が解決した」とNASAが発表

何が起きた? 1990年打ち上げ後に発覚した主鏡の球面収差(像がぼやける問題)について、初回の修理ミッション(1993年末)で入れた新しい光学系が有効で、鮮明な画像が得られるとNASAが1月13日に公表しました。  どう直した?(技術の肝) 代表的には、観測装置側で補正する設計(WFPC2の内部補正光学)や、複数の観測機器向けに“眼鏡”のように補正光学を提供する装置(COSTAR)などで、主鏡の誤差を“相殺”する形で像質を取り戻しました。  なぜ重要?(科学史の意味) これは単に「故障を直した」ではなく、宇宙天文学の観測能力を一気に回復させ、以後の銀河進化・宇宙論・星形成などの膨大な成果(=人類の宇宙像)を可能にした分水嶺です。 

3) 2001年|エルサルバドル沖でMw7.7地震(大規模崩壊を多数誘発)

何が起きた? 2001年1月13日、エルサルバドル沖でMw7.7の大地震が発生し、国内各地で甚大な被害が出ました。特に注目されるのは、地震動によって**多数の地すべり(斜面崩壊)**が広域に誘発された点です。  なぜ重要?(地球科学・防災科学の意味) この事例は「揺れの強さ」だけでなく、地形・地質・降雨履歴・都市の立地が重なったときに、災害が“二次化”(地震→地すべり→居住地被害)していく典型例として研究されます。USGSも地すべり誘発を中心テーマに整理しており、地震学と斜面防災をつなぐ重要なケーススタディになっています。