以下、1月12日に起こった(その日付で記録される)科学分野の重要な出来事を3件、詳しめの解説つきで。
1) 2005年|NASA探査機 Deep Impact 打ち上げ(彗星テンペル1への“衝突”実験)
何が起きた? 1月12日、探査機Deep Impactが打ち上げられ、同年7月に彗星テンペル1へインパクターを衝突させるミッションが始動しました。 なぜ重要? 彗星は太陽系初期の物質を比較的よく保存していると考えられますが、表面は宇宙風化や加熱で“加工”されています。Deep Impactは、表面の下の新鮮な物質を掘り出して観測するという発想で、彗星研究を「遠くから眺める」から「内部をうかがう」へ進めました。JPLも「彗星の表層下を初めて覗く試み」という位置づけで説明しています。 科学的ポイント 衝突で舞い上がった噴出物を分光などで調べ、氷や塵の性質を推定することで、彗星核の組成・構造、さらには地球の水や有機物の起源議論にも材料を供給しました。

2) 2010年|ハイチ地震(M7.0) 発生
何が起きた? 1月12日、ハイチでマグニチュード7.0の大地震が発生(首都ポルトープランス近郊)。 なぜ重要?(地球科学として) これは単なる「大災害」ではなく、地震学・断層研究の観点で、活断層帯(エンリキリョ—プランテイン・ガーデン系)周辺で、どんな破壊が起こるのかを世界に突きつけた事例になりました。震源の浅さや都市直下型の揺れが被害を増幅し、以後、カリブ海域のプレート境界の理解や、都市防災(建築・地盤・社会脆弱性)の研究が加速しました。 科学的ポイント 本震後も多数の余震が観測され、地殻変動データや強震記録の解析が進み、「どの断層面が、どう滑ったのか」を復元する研究が積み上がりました。これは将来の危険度評価(ハザード評価)の基礎になります。

3) 2007年|マクノート彗星(C/2006 P1) が近日点通過(“大彗星”として観測)
何が起きた? 1月12日、マクノート彗星が太陽に最接近(近日点通過)。非常に明るくなり、宇宙太陽観測衛星SOHOなどでも観測されました。 なぜ重要? 「見栄えがすごい彗星」だけではなく、太陽に極端に近づく彗星は、加熱で揮発性物質が急激に放出され、ダストやガスがどう生成・分布するかを観測できる“自然実験”になります。特にSOHOのような太陽監視機器が連続的に捉えることで、地上からは追いにくい“太陽近傍のふるまい”がデータ化されました。 科学的ポイント 太陽風や放射圧が尾をどう形作るか、彗星核がどの程度耐えるか(分裂・減光の兆候など)を評価する材料になり、彗星物理・太陽近傍環境の理解にも寄与します。
