以下、12月22日に起こった(またはその日付で記録される)人文学分野の重要事項を10件、Year | Event 形式でまとめます。
1639
ジャン・ラシーヌ(Jean Racine)が洗礼(出生の基準日としても扱われる)。フランス古典主義悲劇の頂点として、近代ヨーロッパ演劇・詩学・修辞文化に巨大な影響。
1666
フランス王立科学アカデミー(後のAcadémie des sciences)の最初期会合(王の図書館での会合)。学術制度化=知の公共性・宮廷文化・知識人史の転換点。
1808
ベートーヴェン「1808年12月22日演奏会」(ウィーン、テアター・アン・デア・ウィーン)。交響曲第5・第6番などが公に初演され、近代音楽史の“事件”として記憶される。
1849
ドストエフスキー、銃殺刑直前で恩赦(いわゆる模擬処刑)。以後の文学世界観(罪・救い・暴力・国家)を決定づけた経験として、文学史上の重大な分岐。
1858
ジャコモ・プッチーニ誕生。イタリア・オペラを19世紀後半から20世紀へ橋渡しし、音楽劇・大衆文化研究でも中心的作曲家。

1894
ドレフュス有罪評決(ドレフュス事件)。反ユダヤ主義、司法の正当性、報道と世論、知識人の公共介入(ゾラ等)をめぐる近代フランスの決定的事件。
1943
ビアトリクス・ポター死去(『ピーターラビット』)。児童文学・絵本表現の古典であり、自然観・教育文化・出版史にも長期的影響。

1966
ルーシー・バーンズ死去(米国婦人参政権運動)。運動史・公共圏のジェンダー秩序・抗議のレパートリー研究の重要人物。
1989
サミュエル・ベケット死去(『ゴドーを待ちながら』)。戦後文学・不条理演劇・実存的言語観の形成に決定的役割。
1989
ルーマニア革命で政権が崩壊(チャウシェスク失脚へ)。東欧革命の中でも暴力的転換として記憶され、体制崩壊の「記憶の政治」や移行期正義の論点を形成。