かつて12月21日に起こった出来事

12月21日に起こった(または12月21日付で起点・終点となった)、人文学(文学・哲学・歴史・宗教・文化・メディアなど)に関わる主な出来事を10件まとめます。

1375年

ジョヴァンニ・ボッカッチョ死去(チェルタルド)

『デカメロン』の著者であり、ペトラルカと並ぶ初期ルネサンス人文主義の中心人物が死去。イタリア語散文の確立、物語文学の形式、さらにギリシア・ラテン古典研究の発展に決定的役割を果たした。

1549年

マルグリット・ド・ナヴァル死去

フランソワ1世の姉で、ナヴァル王妃・作家・宗教改革寄りの保護者。短編集『エプタメロン』の作者として知られ、フランス・ルネサンス文学、人文主義・寛容思想・女性知識人史にとって重要な存在。

1909年

シャルル=ルイ・フィリップ死去(フランスの小説家)

革命期以後のパリ下層民の生活を写実的かつ共感的に描いた作家。代表作『モンパルナスのブブ』などを通じて、貧困・社会的不正義・都市下層文化を文学の主題に据えた先駆として、20世紀フランス文学・社会小説の流れに位置づけられる。

1878年

ヤン・ウカシェヴィチ誕生(ポーランドの論理学者・哲学者)

逆ポーランド記法や多値論理(ウカシェヴィチ論理)の創始者。ルヴフ=ワルシャワ学派の中心として、近代論理学・分析哲学・論理史研究の基盤を築き、「形式論理と哲学の接続」という点で20世紀哲学史に大きな影響を与えた。

1916年

モーリス・シャパ生誕(スイス仏語圏の詩人)

ヴァレー州の山岳世界・農村社会を中心に、自然・伝統・信仰・近代化のゆらぎを詩的に描写。フランス語スイス文学の「国民的」作家のひとりとされ、地域アイデンティティや山岳文化の表象を考えるうえで重要。

1917年

ハインリヒ・ベル誕生(ドイツの作家)

戦後ドイツ文学を代表する作家で、1972年ノーベル文学賞受賞。戦中・戦後の市井の人々の苦悩、カトリック教会や中産階級の偽善、消費社会の空虚さなどを描き、ドイツ社会の「道徳的良心」とも呼ばれる。

1954年

ロシアの法哲学者・宗教哲学者イワン・イリイン死去

亡命知識人として反ボリシェヴィキ的立場から法意識・国家・専制と自由を論じた思想家。近年、現代ロシア政治における保守思想・ナショナリズムの源泉として注目され、宗教・政治思想史研究の争点となっている。

1956年

アラバマ州モンゴメリーの市バスが統合され、ローザ・パークスが再びバスに乗車

381日続いたモンゴメリー・バス・ボイコットが、連邦最高裁によるバス分離違憲判決の施行を受けて事実上終結し、この日からバスが統合。ローザ・パークスが堂々と乗車する姿は、公民権運動史・人権思想・非暴力抵抗の象徴的イメージとなった。

2012年

いわゆる「2012現象」の焦点日(マヤ暦ロングカウント13バクトゥンの区切り)

マヤの長期暦サイクルがこの日で一区切りを迎えることから、「世界の終末」から「意識の変容」まで多様な終末論・ニューエイジ思想が拡散。実際にはマヤ世界では新たな周期の始まりとして儀礼・祝祭が行われ、先住民文化の受容とメディア的誤解の両面を考える好例となった。

2012年

PSY「Gangnam Style」がYouTube史上初の「再生10億回」を突破

韓国発ポップソングのMVが、YouTube初の10億再生動画となった日。K-POPのグローバル化、ソーシャルメディア時代の音楽流通、ミーム文化・パロディ文化の展開を象徴する出来事として、現代ポピュラー文化研究で頻繁に取り上げられる。

補足として、この日にはスイス詩人モーリス・シャパやポーランドの論理学者ウカシェヴィチ、ドイツ作家ベルなどの「誕生日」も集中しており、近現代ヨーロッパの文学・哲学・論理学をつなぐ節目の一日とも言えます。