12月17日に起こった、人文学(文学・思想・宗教・歴史・人権など)に関わる主な出来事を10件まとめました。
1273年 イスラーム神秘主義の詩人ルーミーがコンヤで死去 メスネヴィなどの大作で知られるスーフィー詩人。死は「結婚の夜(シャブ・エ・アロース)」として祝福され、宗教を超えた弔いが行われたと言われます。神秘主義・比較宗教・詩の領域でいまも世界的に読まれる人物です。(ウィキペディア)
1538年 ローマ教皇パウルス3世がヘンリー8世を破門(2度目) イングランド国教会の成立とカトリック教会からの決定的決裂を象徴する出来事。宗教改革史・教会法・政治思想(王権と教権の関係)を考える重要な節目です。(EnglandCast)
1790年 メキシコシティのソカロ(中央広場)でアステカの「太陽の石(暦石)」が発見される 直径約3.5m、重さ24トンの巨大な石碑で、アステカ宇宙観を象徴する遺物。メソアメリカ考古学の出発点の一つとされ、先住民文化の再評価・国民的アイデンティティ形成に大きく寄与しました。(ウィキペディア)

1807年 アメリカの詩人・奴隷制廃止運動家ジョン・グリーンリーフ・ホイッティア誕生 「炉辺詩人」の一人として家庭的で道徳的な詩を多く残すと同時に、クエーカーとして反奴隷制運動に深く関わりました。文学と社会運動(特に奴隷制批判)の結びつきを示す代表的存在です。(ウィキペディア)
1825年 アメリカ人作家ジョン・ニールが哲学者ジェレミ・ベンサムの秘書となり、功利主義思想に引き込まれる ロンドンでの同居・秘書経験を通じて、ベンサムの功利主義がアメリカの文学者に直接影響した珍しい例。英米をまたぐ思想交流史の一断面として興味深い出来事です。(ウィキペディア)
1830年 フランスの作家ジュール・ド・ゴンクール誕生 兄エドモンと共に自然主義的な小説・美術批評・日記文学で知られ、後にフランス最高の文学賞の一つ「ゴンクール賞」の名の由来となります。19世紀パリ文壇と自然主義文学を語るうえで不可欠です。(ウィキペディア)
1843年 チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』初版が刊行される ロンドンの出版社チャップマン&ホールからクリスマス物語として出版され、クリスマス文化・慈善精神・社会批判(貧困・労働問題)のイメージを決定づけた近代クリスマス神話の原点的作品です。(pop-culture.net)
1933年 第13代ダライ・ラマ(トゥプテン・ギャツォ)がラサで死去 近代化政策や独立宣言で知られるチベットの宗教的・政治的指導者が死去し、後継者(現14世ダライ・ラマ)探しとともにチベット近現代史の大きな転換点となりました。チベット仏教史・植民地後史の研究上重要です。(ウィキペディア)
1957年 推理作家・神学エッセイストのドロシー・L・セイヤーズが死去 ロード・ピーター・ウィムジー物語で知られる一方、ダンテ『神曲』の英訳やキリスト教神学エッセイでも大きな功績を残しました。ミステリ文学とキリスト教思想・中世文学研究を架橋した人物の生涯の終わりです。(ウィキペディア)
1986年 コロンビアの新聞『エル・エスペクタドール』編集長ギジェルモ・カーノ・イスササが暗殺される 麻薬カルテル批判を続けたために殺害された事件で、報道の自由とジャーナリスト保護の象徴的事例となりました。後にユネスコによる「ギジェルモ・カーノ世界報道自由賞」創設の契機ともなっています。(ウィキペディア)