12月5日に起こった、人文学(歴史・文学・芸術・思想など)に関わる出来事を10件ピックアップして表にしました。
年
出来事(12月5日)
人文学的意義・コメント
1492年
コロンブスがイスパニョーラ島(現在のハイチ・ドミニカ共和国の島)に到達
ヨーロッパによるカリブ海植民地化の出発点の一つであり、先住民社会の破壊と「新世界」征服の象徴として、植民地史・ポストコロニアル研究で重要な日。
1784年
フィリス・ウィートリー(Phillis Wheatley)がボストンで死去
アフリカ系女性として初めて詩集を出版した詩人。12月5日の死は、奴隷制・黒人文学・ジェンダー史を考える上で象徴的な節目として語られる。
1791年
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ウィーンで死去
『魔笛』『レクイエム』などを残した古典派音楽の巨匠。12月5日の死は、西洋音楽史だけでなく、死と天才・創作神話をめぐる文化史でも繰り返し論じられている。
1803年
ロシアの詩人フョードル・チューチェフ(Fyodor Tyutchev)誕生(ユリウス暦11月23日/グレゴリオ暦12月5日)
哲学的な自然詩とスラヴ主義的思想で知られる詩人。ロシア文学とロシア思想(スラヴ主義・西欧主義論争)をつなぐ重要人物。
1830年
イギリスの詩人クリスティナ・ロセッティ誕生(ロンドン)
『ゴブリン・マーケット』や「In the Bleak Midwinter」の詩人。ヴィクトリア朝の宗教詩・女性詩の代表で、ジェンダー研究や宗教文学研究でも重視される。
1933年
アメリカ合衆国で第21修正条項が批准され、禁酒法が公式に廃止
アルコール消費をめぐる道徳・宗教・市民の自由・犯罪などが交差した「禁酒法時代」の終わり。文化史・社会史・法思想史で非常に重要な転換点。
1941年
近代インド美術を代表する画家アムリタ・シェール=ギル(Amrita Sher-Gil)死去
インドとヨーロッパ美術を架橋した女性画家。ラホールで28歳の若さで死去した12月5日は、インド近代美術史における「失われた可能性」の象徴として語られる。

1950年
インドの思想家・詩人・ヨーギー、シュリ・オーロビンド(Sri Aurobindo)死去(ポンディシェリ)
インド独立運動家でもあり、後に霊的思想家として『生命神化』『サヴィトリ』などを著す。12月5日の「マハサマーディ」は、宗教思想史・比較宗教の文脈で記念されている。
2013年
南アフリカ初の黒人大統領ネルソン・マンデラ死去(ヨハネスブルグ)
反アパルトヘイト闘争と「和解」の象徴的人物。12月5日の死は、人権・法と正義・和解学・ポストコロニアル研究など、多くの人文学分野で一つの歴史的区切りとして扱われる。
2024年
ユネスコ無形文化遺産に、日本の「麹を用いた酒造りの伝統的な知識と技能」、中国の「春節(Spring Festival)」などが追加登録
酒造り・春節など、生活に根ざした年中行事や食文化が「人類共通の遺産」として公式に認められた日。今も進行中の「文化遺産とは何か」をめぐる議論の具体的な事例。