かつて12月3日に起こった、人文学(文学・芸術・宗教・思想・メディア文化など)に関わる出来事を、10件ピックアップしてみました。
1684年
ルドヴィ・ホルベア誕生
デンマーク=ノルウェーの作家・哲学者ルドヴィ・ホルベアがベルゲンに生まれる。彼は啓蒙思想の影響を受けた劇作・歴史・法思想で活躍し、「近代デンマーク/ノルウェー文学の父」とされる。
1800年
フランツェ・プレシェーレン誕生
スロヴェニアの国民的ロマン派詩人フランツェ・プレシェーレンが、ハプスブルク帝国支配下のヴルバに生まれる。彼の詩「Zdravljica(乾杯)」はのちにスロヴェニア国歌となり、詩とナショナル・アイデンティティの結びつきの象徴となった。

1857年
ジョゼフ(ジョセフ)・コンラッド誕生
後に英語で執筆するポーランド系作家ジョゼフ・テオドル・コンラッド・コジェニョフスキ(ジョセフ・コンラッド)が、当時ロシア帝国支配下のベールディチフ近郊で生まれる。『闇の奥』『ノストローモ』などで帝国主義と人間の「内なる闇」を描き、近代英文学に大きな影響を与えた。
1888年
ボロディン《イーゴリ公》の一部ダンス初演
アレクサンドル・ボロディンのオペラ《イーゴリ公》からの短い舞曲が、リムスキー=コルサコフの管弦楽編曲によって初演される。この作品群は「ポロヴェツ人の踊り」として知られ、ロシア国民楽派オペラの代表的レパートリーとなった。
1910年
ネオンサインの初の公開デモ
パリの自動車ショーで、フランスの技術者ジョルジュ・クロードが現代的なネオン照明を初めて大々的に公開する。都市の夜景・広告・映画的な「夜のイメージ」の原点のひとつであり、20世紀の都市文化・視覚文化を象徴する技術となった。

1910年
メアリー・ベイカー・エディ逝去
キリスト教科学(Christian Science)の創始者メアリー・ベイカー・エディが、マサチューセッツ州ニュートンで死去。彼女の著作『科学と健康』などは、19〜20世紀アメリカの宗教運動・身体観・「信仰による癒し」思想を考えるうえで重要なテキストとなっている。
1926年
アガサ・クリスティ失踪事件が起こる
推理作家アガサ・クリスティが、イングランドの自宅から突然失踪し、約11日間行方不明となる。放置された自動車が発見され、大規模な捜索が行われたこの出来事は、作家自身の人生が「ミステリ」と化した例として、メディア文化・作家神話の形成を考える上でよく引かれる。
1947年
『欲望という名の電車』ブロードウェイ初演
テネシー・ウィリアムズの戯曲『A Streetcar Named Desire(欲望という名の電車)』が、ニューヨークのエセル・バリモア劇場で初演される。マーロン・ブランドらの演技とともに、アメリカ南部の衰退・ジェンダー・欲望を描く20世紀演劇の金字塔として評価されている。
1992年
世界初のSMSメッセージ送信
イギリスの携帯電話網で、エンジニアが「Merry Christmas」と書いた世界初のSMS(ショートメッセージサービス)を送信する。この短いテキストメッセージは、携帯メール・チャットアプリ・SNSへと続く「短文コミュニケーション文化」の出発点として、メディア論・言語文化研究で重視される。
1994年
初代プレイステーション、日本で発売
ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション」が日本で発売される。3Dグラフィックスを活用したゲーム体験はゲーム産業だけでなく、物語体験・インタラクティブ・アートのあり方に大きな影響を与え、「ポップカルチャー史」の一画期となった。
※年表として見ると、
前半はヨーロッパの文学・哲学・宗教(ホルベア/プレシェーレン/コンラッド/エディ)、
中盤は音楽・演劇・都市視覚文化(ボロディン/ネオン/『欲望という名の電車』)、
後半はメディア技術とポップカルチャー(SMS/プレイステーション)へと、