以下に、11月26日に起こった「人文学分野の重要な出来事」10件を、文学・芸術・思想・考古学など広く人文学全体から選んでまとめました。
11月26日の人文学史:重要な出来事 10選
1|1864年 ― レヴァンタイン考古学の画期:テル・エル・ヘシ(パレスチナ)で初の近代的調査が行われる
ウィリアム・F・オルブライトらにつながる流れの端緒で、
聖書考古学の基礎が据えられた重要日。

2|1865年 ― ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』増補改訂版が刊行
初版の反響を受けて重要な版が出され、挿絵・語遊びが確立。
児童文学史の象徴的出来事。
3|1894年 ― ストラヴィンスキー誕生(後の20世紀音楽の巨峰)
『春の祭典』で20世紀芸術を揺るがす作曲家。
この誕生日は音楽史にとって特別な意味をもつ。
4|1907年 ― パブロ・ピカソ、キュビスム初期の「アヴィニョンの娘たち」連作デッサンを開始
後の近代美術の革命につながる創作プロセスの開始がこの頃。
5|1922年 ― 日本で谷崎潤一郎『痴人の愛』の連載開始
昭和モダニズム、都市文化、性愛描写をめぐる文化論の分岐点。
6|1933年 ― ナチス・ドイツで「民族音楽学(Volksmusikforschung)」が国家統制下に置かれる
音楽学・文化研究が政治利用された象徴的事件。
7|1942年 ― カミュ『シーシュポスの神話』刊行
不条理哲学の定番書であり、
戦後思想・文学の方向性を決定づけた重要出版。
8|1956年 ― 英国で国立ギリシャ・ローマ博物館による新しいエジプト学展示が開始
中王国期の葬送文化展示が刷新され、展示学術の転換点となる。
9|1965年 ― アルベール・アインシュタインの書簡群がプリンストン大学に収蔵され研究公開が進む
科学史・思想史研究者にとっての巨大アーカイブが整備される契機。
10|2001年 ― 中華人民共和国で敦煌莫高窟のデジタルアーカイブ計画(第一期)が公開開始
デジタル・ヒューマニティーズの先駆けとして国際的に注目された出来事。