タイトル:「セレナの夜」
登場人物:
- セレナ(Serena):ポッピナで働く給仕女。明るく奔放な元奴隷の解放女。
- マルクス(Marcus):常連の職人。セレナに好意を抱くが、からかわれてばかり。
- 背景:ローマの裏通りにある薄暗いポッピナ。壁には落書き、テーブルは粗末な木製。
🗣️ 対話(ラテン語と日本語対訳)
Marcus:
“Serena, dasne mihi osculum antequam vinum?”
セレナ、ワインをもらう前にキスはどう?
Serena:
“Osculum? Prius nummum quam labra, mi puer.”
キス?まずは銀貨、それから唇よ、坊や。
Marcus:
“Poterisne mecum cenare post horam sextam?”
六時の鐘のあと、僕と一緒に夕食してくれない?
Serena:
“Cena? Nisi gallina, ego non veni.”
夕食?鶏料理がなければ、私は行かないわよ。
[落書きの壁に書かれている言葉]
“Felix qui cum Serena bibit!”
セレナと飲む者、幸いなり!
📝 解説:
- このやりとりは、ポッピナ特有の軽妙な口調と売春婦の機知を模倣しています。
- “Osculum? Prius nummum quam labra.” はポンペイの壁の落書きによく似た調子で、売春婦が「お金が先よ」と冗談交じりに言う典型的表現です。
- こうしたやりとりは、マルティアリスの詩やポンペイのインスクリプション(Graffiti)から着想を得たものです。