マルティアリスのエピグラムと古代ローマ Ⅺ

“Languebam: sed tu comitatus protinus ad me Venisti centum, Symmache, discipulis. Centum me tetigere manus aquilone gelatae: Non habui febrem, Symmache, nunc habeo.”

私の記憶ではマルティアリスのエピグラム第9巻第85番の原文です。

翻訳です:

「私は病んでいた。だがお前は、シュンマクスよ、
すぐに100人もの弟子たちを連れて私のもとを訪れた。

マルティアリスの風刺詩の正確なラテン語原文については、信頼できる古典文献集(例:Loeb Classical Library)で確認することをお勧めします。私が提示したラテン語テキストも完全に正確ではない可能性があります。

Claude3.5Sonnetによる解説


このエピグラムの文法的解釈と日本語訳を行います:

1行目:
Languebam (langueō動詞の未完了過去1人称単数): 私は病んでいた
sed (接続詞): しかし
tu (主格代名詞): あなたは
comitatus (comitor動詞の完了分詞、主格): 伴われて
protinus (副詞): すぐに
ad me (前置詞句): 私のところへ

2行目:
Venisti (veniō動詞の完了2人称単数): あなたは来た
centum (数詞): 100人の
Symmache (呼格): シュンマクスよ
discipulis (discipulus名詞の奪格複数): 弟子たちを伴って

3行目:
Centum (数詞): 100本の
me (対格代名詞): 私を
tetigere = tetigerunt (tangō動詞の完了3人称複数): 触れた
aquilone (aquilō名詞の奪格単数): 北風によって
gelatae (gelō動詞の完了分詞、主格複数女性): 凍えた

4行目:
Non (否定): 〜ない
habui (habeō動詞の完了1人称単数): 私は持っていた
febrem (febris名詞の対格単数): 熱を
nunc (副詞): 今は
habeo (habeō動詞の現在1人称単数): 私は持っている

日本語訳:
「私は病んでいた。だがお前は、シュンマクスよ、
すぐに100人もの弟子たちを連れて私のもとを訪れた。
北風で凍えた100本の手が私に触れた。
熱なんかなかったのに、シュンマクスよ、今は出てしまった。」

詩の諷刺的意図:
病人を見舞うという行為が、かえって患者の容態を悪化させてしまうという皮肉を描いています。多数の見舞客が押し寄せることへの批判と、表向きの社交辞令的な行為への批判が込められています。

古代ローマと疾病


古代ローマで一般的だった疾患について、以下のように整理できます:

感染症関連:

  • マラリア(特にローマ周辺の沼地地域で蔓延)
  • 結核(都市部での過密な生活環境が感染を助長)
  • 天然痘(軍隊の移動と共に帝国内に広がった)
  • 腸チフス(下水設備が整っていない地域で特に問題に)
  • 赤痢(汚染された水による感染)

栄養・生活習慣関連:

  • 鉛中毒(水道管や食器に使用された鉛による)
  • 痛風(富裕層に多く、過度な肉食や飲酒が原因)
  • 歯周病(口腔衛生の問題)
  • 関節炎(寒冷な住環境や肉体労働による)

職業病:

  • 鉱山労働者の肺疾患
  • 剣闘士の外傷性障害
  • 船乗りの壊血病

特殊な状況:

  • 戦傷(軍人に特有)
  • 妊産婦の合併症(高い妊産婦死亡率)
  • 急性アルコール中毒(飲酒文化に関連)

これらの疾患に対して、当時は以下のような治療法が用いられました:

  • 薬草療法
  • 瀉血
  • 温泉療法
  • 祈祷や宗教的儀式
  • 食事療法
  • 運動療法

これらの疾患の中には、現代では簡単に治療できるものも多くありますが、当時は深刻な健康問題となっていました。また、衛生概念が現代と異なっていたため、予防医学的な対策も限られていました。


ここまでです。お付き合いくださり有り難うございました。