ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『イル・トロヴァトーレ(吟遊詩人/トロヴァトーレ)』は1853年1月19日、ローマのアポロ劇場で初演されました。

作品の特徴と背景:

  • スペインを舞台にした悲劇的な物語で、ジプシーの復讐、兄弟の確執、そして恋愛を軸にした複雑なドラマが展開されます。
  • 台本はサルヴァトーレ・カンマラーノが手掛け、彼の死後にレオーネ・エンマヌエーレ・バルダーレが完成させました。
  • 有名なアリア『炎は燃えている』『愛に生きる喜び』など、印象的な旋律に満ちた作品です。
  • 初演時の主要キャストは、レオノーラ役をロズィーナ・ペンコ、マンリーコ役をカルロ・バウカルデなど、当時の一流歌手が務めました。
  • 初演は大成功を収め、その後すぐにイタリア内外の主要歌劇場で上演されるようになりました。

『イル・トロヴァトーレ』は、ヴェルディの中期の代表作の一つとして、『リゴレット』『椿姫』と並んで「人気三部作」と呼ばれています。劇的な展開とドラマティックな音楽性により、今日でも世界中のオペラハウスで頻繁に上演される人気演目となっています。