『メトロポリス』(Metropolis)

『メトロポリス』(Metropolis)は1927年に公開されたドイツの無声映画で、フリッツ・ラングが監督を務めた表現主義映画の傑作です。

主な特徴:

  • 未来都市を舞台に、支配者階級と労働者階級の対立を描いた社会派SF映画です。巨大な機械都市メトロポリスは、地上の豪華な高層ビル群と、地下の劣悪な労働者居住区に二分されています
  • 当時としては革新的な特殊撮影技術や巨大セット、未来的な美術セットが用いられ、映画史に大きな影響を与えました
  • ロボットのマリアは、映画史上最も初期の人型ロボットの一つとして知られ、以後のSF作品に多大な影響を与えました
  • テーマは人間性の喪失、階級格差、産業化による人間の機械化などで、現代にも通じる問題を提起しています

この映画は初公開時に大幅に編集されて短縮版が上映され、オリジナル版は長らく失われていましたが、2008年にアルゼンチンで完全版に近い16mmフィルムが発見され、2010年に修復版が公開されました。

現代でも古典SF映画の金字塔として高く評価され、その視覚的な様式やテーマは多くの作品に影響を与え続けています。