In fine anni

“In fine anni” を文法的に分解して解釈してみましょう:

  1. “In” – 前置詞
  • 場所や時を表す場合、奪格と共に使用され「~の中で」「~において」の意味になります
  • この場合は時を表しています
  1. “Fine” – 名詞 “finis”(男性名詞)の奪格形
  • 基本形: finis, finis (第3変化名詞)
  • 意味: 「終わり」「境界」「目的」
  • この場合は奪格形の “fine” として使用されています
  1. “Anni” – 名詞 “annus”(男性名詞)の属格形
  • 基本形: annus, anni (第2変化名詞)
  • 意味: 「年」
  • “fine” を修飾する属格として使用されています

全体の構造としては:

  • “fine anni” で「年の終わり」という意味の名詞句を形成
  • それに前置詞 “in” が付くことで「年の終わりにおいて」という前置詞句となります

直訳すると「年の終わりにおいて」となり、意訳すると「年末に」という意味になります。


“In fine anni” は主に以下のような場面で使用されてきました:

  1. 修道院や教会の記録文書において、その年の出来事をまとめる際の標題や記載として使用されました。例えば「この年の終わりに以下の事柄が起こった」という文脈です。
  2. 中世の商人の会計帳簿において、年度末の収支決算を記す際の見出しとして使われました。
  3. 学術的な年報や年代記において、一年の総括を示す際の表現として用いられました。
  4. カトリック教会の典礼暦において、教会暦の年末を示す表現としても使用されました。

このフレーズは特に中世ヨーロッパの文書で頻繁に見られ、主に公式な文書や記録において、ある年の締めくくりを示す形式的な表現として定着していました。

なお、時には “in fine” だけで「最後に」という意味で使われることもありましたが、”anni”(年の)を付けることで、特に「年末に」という明確な時期を示す表現となっています。