Idem velle atque idem nolle, ea demum firma amicitia est.

このラテン語の格言を文法的に分析し、翻訳させていただきます。

文法的解釈:

  • idem: 同じもの(中性単数主格/対格)
  • velle: 望む(不定法)
  • atque: そして(接続詞)
  • idem: 同じもの(上記と同様)
  • nolle: 望まない(不定法、nolo の不定法形)
  • ea: それは(指示代名詞、女性単数主格)
  • demum: ついに、まさに(副詞)
  • firma: 強固な(形容詞、女性単数主格)
  • amicitia: 友情(名詞、女性単数主格)
  • est: である(動詞、3人称単数現在)

日本語訳:
「同じものを望み、同じものを望まないこと、それこそがまさに真の友情である」

この言葉を残したのは歴史家サッルスティウス(Gaius Sallustius Crispus、紀元前86年頃 – 紀元前35年頃)です。彼は古代ローマの歴史家で政治家でもありました。

サッルスティウスの生涯と功績:

  1. 護民官としての政治経験を持ち、ユリウス・カエサルの支持者として知られました。
  2. 主な著作として『カティリーナの陰謀』と『ユグルタ戦記』があり、これらは歴史書の傑作として高く評価されています。
  3. 彼の歴史記述の特徴は、道徳的な視点から歴史を解釈し、ローマ社会の堕落を批判的に描いたことです。
  4. 文体は簡潔で力強く、後世の歴史家たちに大きな影響を与えました。

この格言は、真の友情の本質を端的に表現したものとして、現代でも広く引用されています。同じ価値観や理想を共有することが、強い絆を築く基礎になるという普遍的な真理を示しています。

なお、これほど古い時代の人物について詳細な情報を提供する際は、一部の細かい情報が不正確である可能性があることをお伝えしておく必要があります。