
サッフォーの詩句の文法的解釈と翻訳
「Ἔρος δηὖτέ μ’ ὀ λυσιμέλης δόνει, γλυκύπικρον ἀμάχανον ὄρπετον」の文法的解釈と詳細な翻訳は以下の通りです:
- Ἔρος: 名詞「愛、欲望」の主格形。ここでは擬人化されています。
- δηὖτέ: 副詞「再び」を意味する。δή (強調) + αὖτε (再び) の縮約形。
- μ’: 人称代名詞「私を」の対格形 με の省略形。
- ὀ: 定冠詞「the」の男性単数主格形。
- λυσιμέλης: 形容詞「四肢を解す」。λύω (解く) + μέλος (肢) の複合語。
- δόνει: 動詞「揺さぶる、動揺させる」の現在形3人称単数。
- γλυκύπικρον: 形容詞「甘く苦い」。γλυκύς (甘い) + πικρός (苦い) の複合語。
- ἀμάχανον: 形容詞「抵抗できない、逃れられない」。
- ὄρπετον: 名詞「生き物、這うもの」。
より詳細な翻訳:「再び、四肢を解す愛(エロス)が私を揺さぶる。甘く苦い、逃れられない這うもの(生き物)よ。」
この詩は、愛の複雑さと圧倒的な力を表現しています。愛を「四肢を解す」存在として描写し、その影響力の強さを示しています。また、「甘く苦い」という矛盾した表現で、愛の両面性を巧みに表現しています。
サッフォーについて
サッフォー(紀元前630年頃 – 紀元前570年頃)は、古代ギリシャの抒情詩人として最も重要な人物の一人です。
- **出身:**エーゲ海のレスボス島のエレソスで生まれました。
- **活動:**主にミュティレネで詩作活動を行いました。
- **主な業績:**抒情詩、特に恋愛詩や結婚の歌で有名です。
- **文体:**感情表現が豊かで、繊細かつ情熱的な文体を特徴としています。
- **影響力:**古代から現代に至るまで、多くの詩人や芸術家に影響を与えています。
- **サッフォー詩節:**彼女の名を冠した韻律形式「サッフォー詩節」を考案しました。
- **社会的地位:**女性詩人として高い評価を受け、「第十のムーサ(詩神)」と呼ばれました。
サッフォーの作品は、古代ギリシャの女性の視点から見た愛や美、感情を理解する上で貴重な資料となっています。彼女の詩は、その普遍的なテーマと美しい表現で、今日でも多くの人々に読まれ、研究されています。