
“Collige, virgo, rosas” は「乙女よ、バラを摘め」と訳されます。
文法的解釈:
- Collige: 命令法現在形、2人称単数 (「摘め」)
- virgo: 呼格 (「乙女よ」)
- rosas: 対格複数形 (「バラを」)
この短い一文は、若さと美しさの儚さを象徴的に表現しています。
作品と作者について
この句は、アウソニウス(Decimus Magnus Ausonius、約310年-395年)の作品『薔薇の詩』(De rosis nascentibus)の一部です。
- 作者: アウソニウスは、4世紀後半の古代ローマの詩人、文法学者、修辞学者でした。ガリア(現在のフランス)のブルディガラ(現在のボルドー)出身で、後にローマ帝国の高官となりました。
- 作品: 『薔薇の詩』は、春の短さと人生の儚さを薔薇の開花と枯れる過程に喩えた叙情詩です。この作品は、カルペ・ディエム(その日を摘め)の思想を反映しており、人生の喜びを味わうことの重要性を強調しています。
- 影響: この句は後世の文学や芸術に大きな影響を与え、特にルネサンス期の詩人たちに頻繁に引用されました。例えば、ピエール・ド・ロンサールの有名な詩「愛する人よ、行こう、バラを見に」はこの句から着想を得たと言われています。
アウソニウスのこの作品は、古典的な主題を簡潔かつ印象的に表現した優れた例として、古代ローマ文学の中で重要な位置を占めています。
