Dat mihi penna rubens nomen; sed lingua gulosis Nostra sapit. Quid si garrula lingua foret?

マルティアリスによる水鳥(具体的にはフラミンゴ)についての短いエピグラムを見てみましょう。

マルティアリス『エピグラマタ』第13巻 71番:

Dat mihi penna rubens nomen; sed lingua gulosis

Nostra sapit. Quid si garrula lingua foret?

文法的解釈を行います:

1行目:

  • Dat (動詞 do, dare の現在形3人称単数) = 「与える」
  • mihi (人称代名詞 ego の与格) = 「私に」
  • penna (名詞 女性主格単数) = 「羽」
  • rubens (形容詞 主格) = 「赤い」
  • nomen (名詞 中性対格単数) = 「名前」
  • sed (接続詞) = 「しかし」
  • lingua (名詞 女性主格単数) = 「舌」
  • gulosis (形容詞 与格複数) = 「美食家たちに」

2行目:

  • Nostra (所有形容詞 女性主格単数) = 「私たちの」
  • sapit (動詞 sapio の現在形3人称単数) = 「味がする」
  • Quid (疑問代名詞 中性主格単数) = 「何が」
  • si (接続詞) = 「もし~ならば」
  • garrula (形容詞 女性主格単数) = 「おしゃべりな」
  • lingua (名詞 女性主格単数) = 「舌」
  • foret (動詞 sum の接続法未完了過去3人称単数 = esset) = 「であったならば」

日本語訳: 「赤い羽が私に名前を与えている。しかし私の舌は美食家たちの味覚を満足させる。 もし(この)舌がおしゃべりだったとしたら、どうなることか?」

この詩はフラミンゴを題材にした機知に富んだエピグラムです。フラミンゴの特徴的な赤い羽(penna rubens)と、古代ローマで珍味とされていた舌(lingua)を巧みに結びつけています。最後の一文は、もし食用にされる舌が「おしゃべり」だったらという言葉遊びになっています。