Opulentia in dando est, non in habendo.

「豊かさは与えることにある。持つことではない」 

この意味深い格言をラテン語に翻訳し、文法的解釈を添えてご説明いたします。

ラテン語訳:
“Opulentia in dando est, non in habendo.”

文法的解釈:

  1. Opulentia:
  • “opulentia” (豊かさ、富裕)の女性単数主格
  • 文の主語
  1. in:
  • 前置詞「~の中に」を意味する
  • ここでは奪格と共に使用され、「~することにおいて」という意味を表す
  1. dando:
  • “do” (与える)の動名詞、単数奪格
  • 「与えること」を意味する
  1. est:
  • “sum” (である)の直説法現在3人称単数
  • 文の動詞(繋辞)
  1. non:
  • 否定を表す副詞「~ではない」
  1. in:
  • 前置詞(上記と同じ)
  1. habendo:
  • “habeo” (持つ)の動名詞、単数奪格
  • 「持つこと」を意味する

この文は直訳すると「豊かさは与えることにあり、持つことにはない」となります。

文法的な特徴:

  1. 動名詞 “dando” と “habendo” は奪格形で使用されています。これは前置詞 “in” と共に使われ、「~することにおいて」という意味を表現します。
  2. 動名詞を使用することで、「与える」「持つ」という動詞の概念を名詞化し、抽象的な行為として表現しています。
  3. “est” は文の前半で明示的に使用されていますが、後半では省略されています。これはラテン語でよく見られる省略法です。
  4. “non” を使用して後半部分を否定することで、「与えること」と「持つこと」を対比させています。

この翻訳は、ラテン語の簡潔さと優雅さを保ちながら、原文の哲学的な深みを巧みに表現しています。特に、”in dando” と “in habendo” という並列構造を用いることで、「与えること」と「持つこと」の対比を鮮明に示しています。また、否定語 “non” を文の後半に置くことで、「持つこと」ではないという点を強調し、原文のメッセージを効果的に伝えています。