Cui bono?

ラテン語の表現 “Cui bono?” を文法的に解釈しましょう。

  1. Cui – 疑問代名詞の与格形、「誰に」「何に」
  2. bono – 形容詞 bonus(良い)の中性単数主格または奪格形、名詞として「利益」「善」の意味で使用

直訳すると:
「誰にとって良いのか?」または「誰の利益のためか?」

意味と用法:
この表現は、以下のような意味で使われます:

  1. 「誰が利益を得るのか?」
  2. 「誰の利益になるのか?」
  3. 「誰が得をするのか?」

“Cui bono?” は、特に以下のような状況で使用されます:

  1. 法律や犯罪捜査の文脈:犯罪の動機を探る際に、その行為から誰が利益を得るかを考察する。
  2. 政治や社会分析:ある政策や行動が誰の利益になるかを問う。
  3. 一般的な批判的思考:ある行動や決定の背後にある真の動機を探る。

この表現は、古代ローマの政治家キケロによって広められたとされています。彼は法廷で「犯罪から利益を得る者を探せ」という意味でこの言葉を使用しました。

現代では、隠れた動機や真の受益者を明らかにしようとする際に使われる強力な問いかけとして、様々な文脈で用いられています。この簡潔な表現は、表面上の理由や説明を超えて、事態の本質を探ろうとする批判的思考を促します。