1799年7月15日(または19日、諸説あります)に、フランスのブーローニュ近郊のロゼッタ(現在のエジプトのラシード)で「ロゼッタ・ストーン」が発見されました。この発見は古代エジプト語の解読に革命をもたらしました。詳細を説明いたします。

- 発見の経緯:
- ナポレオンのエジプト遠征中、フランス軍の工兵ピエール=フランソワ・ブシャールによって発見されました。
- 古代の要塞跡を再建する際に偶然発見されました。
- ロゼッタ・ストーンの特徴:
- 黒い玄武岩でできた石板で、重さは約760kg、高さ約114cm、幅約72cm、厚さ約28cmです。
- 紀元前196年頃のものと推定されています。
- 碑文の内容:
- 同じ内容が3つの異なる文字で刻まれています:
a) 古代エジプト語のヒエログリフ(神聖文字)
b) エジプトのデモティック文字(民衆文字)
c) 古代ギリシャ語 - 内容はプトレマイオス5世の神官たちによる讃辞です。
- 歴史的重要性:
- それまで解読不能だった古代エジプトのヒエログリフを解読する鍵となりました。
- 古代エジプト文明の理解を大きく前進させました。
- 解読の過程:
- トマス・ヤングがデモティック文字の一部を解読しました。
- ジャン=フランソワ・シャンポリオンが1822年に完全な解読に成功しました。
- 所有権の変遷:
- 発見後、フランスの所有となりましたが、1801年のイギリスによるエジプト遠征軍の降伏後、イギリスに引き渡されました。
- 1802年以降、ロンドンの大英博物館に展示されています。
- 文化的影響:
- 考古学と言語学の発展に大きく貢献しました。
- エジプト学という学問分野の確立につながりました。
- 「ロゼッタ・ストーン」という言葉は、難解な問題を解く鍵という意味で比喩的に使われるようになりました。
- 現代の議論:
- エジプト政府は長年、ロゼッタ・ストーンの返還を要求していますが、現在も大英博物館に所蔵されています。
- レプリカと展示:
- 世界中の多くの博物館でレプリカが展示されています。
- オリジナルは大英博物館の人気展示物の一つとなっています。
ロゼッタ・ストーンの発見は、古代文明の解明に大きな転換点をもたらしました。言語学、考古学、歴史学の分野に多大な影響を与え、今日でも文化遺産の重要性と、その所有権をめぐる国際的な議論の象徴となっています。
