1925年(大正14年)7月12日、東京放送局(現在のNHK)は愛宕山から日本で初めてのラジオ本放送を開始しました。この出来事は、日本の放送史において非常に重要なマイルストーンとなります。

放送開始当初は、機材の調整や出演者用の楽屋の準備が間に合わず、逓信省からの本放送許可が下りなかったため、予定されていた3月ではなく7月に本放送が行われることになりました¹。この間、試験送信として番組が流され、新しい放送所が建設されました²。
放送に使用された発信機は、ウェスタンエレクトリック社製の1kw機と、安中電機製作所製の1kw機で、安中電機は無線用機器製作の始祖として知られています¹。また、放送所に設置された鉄塔は高さ45mで、内藤多仲によって設計されました。これは後に建設される東京タワーと同じ設計者によるものです¹。
このラジオ本放送の開始は、関東大震災をきっかけに無線通信の重要性が認識され、ラジオ局開局の機運が高まった背景があります。震災時に無線通信が迅速に情報を伝えたことで、ラジオの普及と放送局設立の必要性が高まったのです²。
この歴史的な放送の開始は、日本における情報伝達の新時代の幕開けを告げるものであり、その後のメディアの発展に大きな影響を与えました。