「バレエ・リュス」が「火の鳥」を

1909年6月20日、ロシアのバレエ団「バレエ・リュス」が、パリのシャトレ座でイーゴリ・ストラヴィンスキー作曲のバレエ「火の鳥」を初演しました。

「バレエ・リュス」は、ロシアの著名な芸術家であるセルゲイ・ディアギレフが設立したバレエ団で、20世紀初頭のバレエ芸術に革新をもたらしました。ディアギレフは、作曲家のストラヴィンスキー、バレエダンサーのヴァーツラフ・ニジンスキー、美術家のレオン・バクストなど、様々な分野の芸術家とコラボレーションし、斬新な作品を次々と発表しました。

「火の鳥」は、ロシアの民話をもとにしたバレエ作品で、不死鳥である火の鳥と、それを捕えようとする王子の物語が展開します。ストラヴィンスキーの革新的な音楽と、ミシェル・フォーキンの振付、バクストの美術デザインが融合し、大成功を収めました。

特にストラヴィンスキーの音楽は、当時の聴衆に衝撃を与えました。複雑なリズムや不協和音、鮮やかなオーケストレーションは、従来のバレエ音楽とは一線を画すものでした。「火の鳥」は、後にオーケストラ組曲としても発表され、現在でも頻繁に演奏される名曲となっています。

「火の鳥」の成功により、ストラヴィンスキーの名声は高まり、以後も「ペトルーシュカ」や「春の祭典」など、バレエ・リュスのために革新的な作品を提供し続けました。

バレエ・リュスの活動は、単にロシア・バレエの伝統を西欧に紹介しただけでなく、音楽、美術、ダンスが一体となった総合芸術としてのバレエの可能性を切り拓いた点で、芸術史上に大きな足跡を残しました。「火の鳥」初演は、そうしたバレエ・リュスの革新的な活動の出発点となった歴史的な出来事と言えるでしょう。