街頭給食

病気のためか、年齢のせいかよくわかりませんが、若い頃のことを懐かしく思い出しすことが多くなりました。今年もYさんから年賀状をいただいたのをきっかけに年末年始の街頭給食のことを思い出しました。

今で言うホームレスの方々への食事のサービスです。小学生の頃は父母に連れられて給食を用意する調理ボランティアに、神学生時代は上野公園や山谷あたりでの給食ボランティアに行きました。Yさんは大変有名な法律家のお嬢さんですが、若い頃によくそのボランティアをなさったようです。

そういえば年末年始の無料宿ボランティアもありました。時代が随分変わったので、今はどうなっているのか知りませんが、40年ほど前は日雇いの労働者の方々が年末年始を暖かく過ごすところがなく、行政も十分に対応できていなかったので民間のボランティア団体がサービスを代行していました。

ある時、騒動がありました。利用者の方々が食事のことで不満を感じて騒動になりました。食事が食事になっていない、と言う不満です。味や量のことではなく、メニューの仕様に関することです。当時の利用者の方々の常識では、白いお米と、メインのおかず、例えば焼き魚とか肉料理ですね。それと汁物、その3点がしっかりと顔を揃えていなければ食事とはみなされ無かったのでした。カレーやチャーハンのようなものがメインになるとその3点がぼやけます。作る方は簡単なのでついついそうなってしまっていたのでしょう。騒動はすぐに収まりましたが、その時、厨房を請け負っていた人たちの不正が表に出ました。材料費を低く抑えて、差額を懐に入れていたのでした。

このような年末年始のボランティアを経験して、ホームレスの方々の生活をほんの少しですが、知るようになりました。

その経験は前任地の六本木におられるホームレスの方々とのほんのわずかな接触でしたが、そのときに役立ちました。