鼻だより

私の祖先はあるときから金沢に住むようになりました。名字の一文字は尾張に由来するようです。寺は日蓮宗、家は現在も本籍として残っているのですが、現在の日本基督教団金沢教会の向かいにありました。

祖父は、若いとき(日露戦争直後です)にキリスト者となり献身、伝道者となりました。私の母はその独りっ子として育ちました。

さて、鼻の話です。実は、室生犀星と我が家はほんの少し関係があるのです。詩人・小説家である犀星の出生に関わるのが小畠家ですが、祖祖母の母はそこから嫁にきたのだそうです。母曰く、わたしの大きな鼻は犀星の鼻と同じでしょ、と。少し、母のほうがスマートに見えますが、確かに大きくて、似ています。

最近、犀星の小説を読み始めていますが、悲哀が作品の彫りを深いものにしています。その悲しみを犀星に負わせることになった家の血筋を、私がひいていると思うと、鼻の話は複雑な思いになります。