挨拶を禁止すべきかどうか・・・

ある都会のマンションで挨拶を禁止すべきかどうかということが問題・課題となっている。そんな新聞投稿を読みました。

考えてみると、見知らぬ人と挨拶を交わすのは、山登りのときだけになってしまった感があります。下界では挨拶しないのが常識で、下手に挨拶したらやっかいなことになるかも知れない、そんな様子が観察されます。

経済優先の近代社会の行き過ぎからくる貧しさだと思います。見知らぬ人であっても隣人として受けとめる社会を培っていかなければなりませんね。

思い出されるのはかつて三井銀行の社長をされたKさんのことです。わたしが洗礼をお授けし、葬儀の司式もさせていただいたのですが、この方は、本社の近くにある日比谷公園を散歩してから出勤しておられました。公園ではすれ違う人と挨拶をかわし、その中にはホームレスの人たちもおられて、みな顔見知りであったのだそうです。

互いに挨拶を交わすところから、少しずつ社会が良くなっていくと思わされます。すべり台社会と言われて久しいのですが、共に生きているのだということを受けとめ合う「場」を失ってはならないと思います。