大分県竹田市にギリシタン洞窟礼拝堂があります。キリシタン禁教令、バテレン追放令などで、ヨーロッパから来ていた宣教師たちが日本から退去させられました。200年にも及ぶ潜伏キリシタンの時代を迎えます。
洞窟礼拝堂は、その時代に追放から逃れて密かに竹田市に残ったバテレンが住居と礼拝の場所としたところです。竹田にはキリシタンだった家老、古田重治がおり、弾圧時代にキリシタンを隠匿しました。一人日本に残ったバテレンもその一人です。
洞窟礼拝堂は古田重治邸の近くにあります。バテレンはたったひとりで、いったい何をしていたのでしょうか。ミサをあげていたのでした。それが、バテレンのなすべき使命だったからです。その使命に生き、死にました。意味深いことであったと思います。
ちなみに、弾圧時代に隠れてカトリックの信仰を持ち続けた人たちを潜伏キリシタンと呼びます。隠れキリシタンという言い方が一般的に使われますが、正確には潜伏キリシタンです。隠れキリシタンとは、禁教令が解かれたときにカトリック教会に復帰せず、弾圧時代に独特な形態をとるようになった独自の信仰を維持することを選びとった人たちのことを指します。長崎などでは厳格に使い分けられていますね。