オーストラリア人口の半分はアジア・アフリカからの移民です

クリフ首相の「違法移民は帰れ」発言をいたずらに揶揄する人がいます。アボリジニの方の写真を添えて、あたかもアボリジニの方々がクリフ首相に対して「お前たちはいつ帰るのか?」と発言しているかのように。

白豪主義は昔のことで、現在オーストラリアの人口の半分はアジア・アフリカからの移民です。わずか40年、50年ほどで、人口の半分が移民となるほど移民を受け入れてきたのがオーストラリアです。なぜ、移民が増えるかというと、住みやすい国だからです。

それで、社会の急激な変化が起こり、困難な状況に置かれているのはその変化に対応できない人々です。オーストラリアに行って驚いたのは白人青年が街角で物乞いをしていることでした。また、ドラッグや麻薬に犯されているのも多くは白人青年です。その人たちのケアーをしている人にも会いましたが、移民を悪く言うことはありません。

豊かな白人に対して、アジアやアフリカからの移民は、それほど豊かではないでしょうが、まだ移民の歴史が浅いのでしかたがありません。それよりも、シドニーにもメルボルンにも東ロンドンのような地域はありません。また、どこかの国のようにヘイトスピーチを叫びながらデモをする人たちなどいません。

移民問題はグローバルな政治課題で、オーストラリアも岐路にたっているのは事実でしょう。それを、日本人が自らを恥じることなく面白おかしく揶揄しているとしたら、愚かなことです。そう思います。