貧しさを尊ぶ宗教

イスラム教は貧しき者の宗教です、とイスラム教徒のある青年が話してくれたことを思いだしています。

預言者マホメッドの教えに帰依した最初の人々は貧しさの中に生きる人々だったようです。その貧しさの中でよく生きることを教えられていった、それがイスラム教だと言うのです。罪を核としてその教えを表現するキリスト教との基本的な違いがそこにあるようです。

とうぜんキリスト教的地盤のもとでは自由が課題となり、尊重されます。貧しき者の宗教の場合は何が課題となり、尊重されることになるでしょうか。理解を深める必要があると思います。

グローバル化がもたらす問題の一つは格差です。経済的格差、その格差の固定化です。それを緩和する「場」が必要です。豊かな人と貧しい人とが交わることができる場がなければなりませんし、豊かさの中に潜む貧しさや、貧しさの中で知る豊かさへの洞察、共感が生まれてこなければならないと思います。