31歳で逝った神学徒が残した書物

福島春太郎

この小書は明治39年生まれで、31歳で召された日本基督教会の牧師・福島春太郞「贖罪論」です。父の書斎から失敬して手元においた一冊ですが、当時、関心をもたれていた英米の神学者たちの贖罪論を批判的に整理してご自分のお考えを記しています。20歳代ですよ、お書きになったのは。すごい。

贖罪論で取り上げられている英米の神学者は James Denney, J.K.Mozley, P.T.Forsyth, W.R.Dale, J.Mc.Leod Campbell, R.C.Moberlyです。著者の立っている基盤はカルヴァンです。しかし、和解論の中では聖潔(聖化)の問題に関して、英米の神学者に感化を受けておられるからでしょうか、深い敬虔に根ざした漸進的聖化論を展開しておられます。