詩編の学び

詩編を学ぶ機会をあたえられています。学ぶと言っても、テキストを読み、代表的な注解書をいくつか読んで、一編ごとに短く緒論的なこと、語彙、黙想を書き留めてみるという程度のことです。

今週は詩編121編。多くの人に愛されている詩編です。そして、別所梅之助先生の讃美歌「山辺にむかいて我、目をあぐ」もまた親しまれています。

「都に上る歌」歌集の2番目の詩編なので、エルサレムへと向かう巡礼がこの歌の背景になっていると読むのが素直だと思われます。新共同訳聖書の翻訳はこの立場を採用しているようです。もちろん、違う読み方もあります。エルサレムから帰郷する時の歌であろうとか、必ずしも巡礼に限定しなくてもよくて、人が長い旅に出る時の歌なのではないか、といった解釈です。どの考察も興味深く、味わい深いものがあります。

別所先生の「山辺」は、いかにも日本的な読みですが、自然の豊かさと、その自然を創造された神さまが、わたしたちのいかなる歩みにも伴っていてくださる、その幸いが歌われています。その感性、大切にしたいと思います。